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赤いカブトムシ 江戸川乱歩

あるにちよう日のごご、丹下たんげサト子ちゃんと、木村きむらミドリちゃんと、野崎のざきサユリちゃんの三人が、友だちのところへあそびに行ったかえりに、世田谷せたがや区のさびしい町を、手をつないで歩いていました。三人とも、小学校三年生のなかよしです。
「あらっ。」
 サト子ちゃんが、なにを見たのか、ぎょっとしたようにたちどまりました。
 ミドリちゃんもサユリちゃんもびっくりして、サト子ちゃんの見つめている方をながめました。
 すると、道のまん中に、みょうなことがおこっていたのです。むこうのマンホールのてつのふたが、じりり、じりりと、もち上がっているのです。だれか、マンホールの中にいるのでしょうか。
 マンホールのふたは、すっかりひらいていました。そして、その下から、黒いマントをきた男の人が、ぬうっとあらわれたのです。